フリーランスと資産運用

フリーランス、個人事業者の老後に必要な貯蓄は6000万円以上?老後のための2つの準備

金融庁が「高齢化社会における資産形成・管理」という報告書を発表、その中で95歳まで生存したとして、老後を過ごすためには年金とは別に2000万円の貯蓄が必要となる。

という話が話題になりました。ただ、この問題、フリーランスや個人事業主の場合、実はもっと深刻な話となります。なぜなら、個人事業主は国民年金のみが基本なので、サラリーマン(厚生年金)とは受給できる金額に差があるからです。

老後に不足するお金とは?

老後の年金不足というのは受け取れる年金収入+αに対して、実際にかかる支出がそれを超えているので、その差分(赤字分)は貯蓄で埋める必要があり、その貯蓄額はおおよそ95歳まで生存するとして2000万円ですよ。というお話になっています。

議論のベースとなった収支を見てみると以下の通りです。

内訳を見ていただくとわかりますが、上記の数字は平均値のような数字になっています。

で、収入の項目に注目すると、夫婦での収入(社会保障給付)の項目は191,880円となっています。この部分は年金収入といえますね。

収入

  • 社会保障給付:191,880円
  • 勤め先:4,232円
  • 事業:4,045円
  • その他:9,041円

合計額:209,198円

支出

  • 食料:64,444円
  • 住居:13,656円
  • 光熱・水道:19,267円
  • 家具・家事: 9,405円
  • 被服: 6,497円
  • 保険・医療:15,512円
  • 交通・通信:27,576円
  • 教養娯楽:25,077円
  • 教育: 15円
  • その他:54,028円
  • 非消費:28,240円

合計額:263,718円

フリーランス・個人事業主は国民年金だけ

国民年金・厚生年金の平均受給額(https://nenkin-hoken.com/kouteki/jukyugaku.html)によりますと、加入してきた年金による収入がわかります(以下、表は引用)。

国民年金のみ 厚生年金加入者
平成21年 54,320円(48,992円) 156,692円
平成22年 54,596円(49,371円) 153,344円
平成23年 54,682円(49,632円) 152,396円
平成24年 54,856円(49,987円) 151,374円
平成25年 54,622円(49,958円) 148,409円

()は厚生年金非加入者のケース

ここから、考えていきます。H25のデータだと厚生年金加入者(サラリーマン)の場合148,409円となっています。サラリーマンの妻は国民年金加入となるので49,958円、合算すれば夫婦で198,367円となります。多少の差異はありますが、金融庁資産の「老後の収入」と合致します。

ただ、フリーランスや個人事業主の場合、夫婦ともに()内の49,958円が年金収入(国民年金給付額)となります。合算したら99,916円です。

差を計算すると、個人事業主の老後の年金収入はサラリーマンよりも月間で10万円弱の収入が少ないということになります。

この試算だと老後には6000万円必要になる

年金収入を前述の金融庁試算に当てはめると収入の部は117,234円。支出は変わらず263,718円としましょう。すると、毎月の赤字額は146,484円。

その場合、35年で不足するのは61,523,280円という途方もない金額になります。2000万円不足なんてかわいく見えてしまいますね。

個人事業主・フリーランスの老後への処方箋

  • 老後も働く・収入を得る
  • 自助努力で貯める

この二つしかありません。その中でバランスを取りながら、個人事業主・フリーランスとしての老後を考える必要があります。

老後も働く・収入を得る

サラリーマンよりも個人事業主・フリーランスとしての働き方が有利な点は、定年がないという点ですね。

稼げる腕や商売さえ持っていれば、70歳、80歳になっても働ける限りは収入を得続けることができます。

こうした収入を得られる基盤を作り上げることができれば、老後のお金問題はずいぶんと解消されるはずです。

自助努力で貯める

サラリーマンはたくさんもらえていいなぁ、と思われるかもしれませんが、サラリーマンは現役時代に厚生年金保険料という国民年金よりも保険料を払っています。

現在の時代はよく言われているように“はらい損”とされる世代です。払った保険料よりも受け取れる年金見込みのほうが少ないというメチャクチャな制度です。

一方、個人事業主・フリーランスの場合はそんな不利な制度でなくもっと有利な運用が可能な制度がいっぱいあります。むしろ、老後に関する蓄財制度に関してはサラリーマンよりも個人事業主の方が圧倒的に優遇されています

ただし、使うも使わないも個人の裁量に任されているので、やる人はやる、ならない人はやらないという状況になっています。

  • 小規模企業共済(確実に老後の資金を貯められる、所得控除あり)
  • iDeCo(サラリーマンよりも月額掛け金の上限が大きい、所得控除あり)
  • 付加年金(わずかな掛け金で国民年金に+α)

このあたりは積極的に活用したい制度です。いずれも税制上の優遇がありますので、実際の掛け金よりも税控除分を考えると少ない投資で済みます。

特に所得控除なので、税率の高い高所得の個人事業主・フリーランスほど有利になります。小規模企業共済とiDeCo(イデコ)は併用可能で、この二つを利用すれば年間で165.6万円分の貯蓄が可能となります。

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小規模企業共済の方は、掛け金残高の一定範囲で低利の貸付を受けることもできるので、事業資金としても活用することが可能です。

やっぱりある一定の年齢になったら備えも考えよう

私の周りにいるフリーランスや個人事業主の中で、ちゃんと稼げている人でも、実はほとんど老後の備えはしていないという人も少なくありません。

やはりそれは稼いだお金は事業に再投資をして拡大していこうというスタンスであるからです。設備投資や人への投資などに使うわけです。もちろん、それは将来の収入につながるわけですからアリです。

その一方で、やはり40代くらいになったら、老後の生活のことも考えた守りの設計も入れていくべきだと思います。

ABOUT ME
フリーランスA氏
フリーランスとして福岡でかれこれ10年くらい働いています。 これまでフリーランスとして働いていく上で役に立つと思うような記事を挙げていきます。