フリーランスと資産運用

個人事業主とサラリーマンの加入する国民年金と厚生年金の違いと、個人事業主に必要な備え

日本では20歳を超えて居住する人は、公的年金に加入しなければなりません。2019年現在の年金制度は国民年金をベースとして、その上に複数の公的年金が乗っかるような多段階層的な内容になっていきます。

こちらでは、そんな公的年金制度の基本について、個人事業主(フリーランス)とサラリーマンの違いについて紹介していきます。

3階建ての公的年金制度の基本を知ろう

まず、公的年金制度は「国民年金」という年金をベースとして、それぞれの加入者(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者)ごとに、様々な付加的な年金を上乗せしているようなイメージとなっています。

図にすると上のような感じになります。
画像引用元:意外と知らない国民年金と厚生年金の違い

個人事業主(フリーランス)は「第1号被保険者」で、サラリーマン(法人経営者を含む)は「第2号被保険者」となります。

個人事業主は国民年金は強制でその他は任意

まず、個人事業主(第1号被保険者)の場合、強制的に加入しなければならないは「国民年金」となります。その上に任意で「付加年金」「国民年金基金」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」などに加入することができます。

なお、国民年金保険料は令和元年(2019年)は16,410円(月額)となっています。

サラリーマン(会社経営者)は厚生年金が強制、その他は会社次第または任意

続いて、サラリーマン(あるいは、法人経営者)は第2号被保険者となります。第2号被保険者は国民年金ではなく、厚生年金に加入します。

ただし、この厚生年金は国民年金を含有しているイメージとなります。厚生年金保険料を払っているという事は「国民年金保険料」+「報酬比例部分保険料」を払っているイメージです。

厚生年金保険料は、その人の収入(標準報酬月額)によって決まります。現在の保険料は8,052円~56,730円(月額)となります。なお、厚生年金保険料は会社が半額を負担していますので、実際の保険料は上記の倍額となっています。

なお、支払う保険料が多いほど、将来受け取れる年金額も大きくなります。

個人事業主やフリーランスは国民年金をどう考えればいい?

第1号被保険者である、個人事業主やフリーランスの場合、何もしなければ国民年金のみへの加入となります。

国民年金・厚生年金の平均受給額」によると国民年金加入者は厚生年金加入者(サラリーマン)と比較して受け取れる年金額が小さくなっています。

国民年金のみ 厚生年金加入者
平成21年 54,320円(48,992円) 156,692円
平成22年 54,596円(49,371円) 153,344円
平成23年 54,682円(49,632円) 152,396円
平成24年 54,856円(49,987円) 151,374円
平成25年 54,622円(49,958円) 148,409円

()については、厚生年金を受け取っていない1号被保険者の受給額
データ出所:厚生労働省平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況について

みていただくとわかるように、かなりの差があります。平成25年基準だと個人事業主は月額49,958円に対してサラリーマン平均は148,409円と老後の年金に3倍近い差があります。

少なくとも月額5万円で生きていけるとは思えないわけで、個人事業主・フリーランスは老後を考える際にはサラリーマンよりももっと多くを考える必要があるわけです。

iDeCoや国民年金基金などの別の年金を追加で加入する

iDeCo(イデコ)や国民年金基金といった任意で加入する年金に入ることで現役時代から老後に備えることができます。

こうした付加的な年金は保険料が所得控除の対象になるため、節税手段としても有効です。儲かっている個人事業主、フリーランスの方であれば積極的に加入を考えても良いと思います。

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公的な年金以外の手段で備える

公的年金で備える大きなメリットは、所得控除等の税制上の優遇が大きいことです。その一方であくまでも資金は「老後」に取っておくしかないという点が挙げられます。

個人事業のような働き方の場合、何らかの事情でまとまった資金が必要になることもあるでしょう。そうしたときに年金資産は老後まで取り崩すことができないので都合が悪いです。

全部を年金に振ってしまうのではなく、現預金や株式投資、投資信託投資といった資産運用でカバーしておくのも手です。

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税制的な面を考慮するのであればNISA(小額投資非課税制度)もあります。

老後も働く

実は一番確実でローリスクな道だったりします。

サラリーマンとして働く場合、一般的には60歳で会社を一旦やめて、その後は継続雇用となる形が多いです。そして65歳で退職といった感じですね。この場合、60歳以降は収入が大きく落ち込むことが多いです。

また、一部の会社では「役職定年(役定)」といって55歳以上で役職が無くなり年収ダウンとなる会社もあります(会社が多い)。

それに比べて個人事業主やフリーランスの場合、定年はありませんので、60歳以降はもちろん、65歳、70歳あるいは80歳でも働ける限りは事業による収入を得ることができます。

個人事業主/フリーランスは年金が少ない前提で老後を考える

これしかありません。

日本の場合、多くの制度やルールが会社員として働くことを前提に考えられていることが多く、個人事業主やフリーランスの場合は、公的扶助の仕組みはそのままでは弱いです。

その点は老後に限らず「妊娠・出産でわかる個人事業主・フリーランスの厳しさ」でも指摘していますね。

そのため、個人事業主やフリーランスとして働くのであれば、老後を見据えた備えや働き方を自分自身でしっかりと考えていく必要があるわけです。

ABOUT ME
フリーランスA氏
フリーランスとして福岡でかれこれ10年くらい働いています。 これまでフリーランスとして働いていく上で役に立つと思うような記事を挙げていきます。